椰子の実と夏の残り花
『名も知らぬ 遠き島より流れ寄る 椰子の実一つ』有名な島崎藤村のこの詩は民俗学者の柳田國男が三河の砂浜で漂着した椰子の実を拾い上げたエピソードを直接耳にし書き上げられました。 またこの出来事は氏にとっても後に稲や神話の伝承を琉球から黒潮を北上したと仮説した『海上の道』を記すきっかけにもなっています。現代ではDNAやゲノム解析が進み、当初よりも更に様々な事が分かってきましたが未だ原初のカタチを完全に掴むには至っていません。意思を持って伝わったものもあれば、椰子の実のように漂着して伝わったものもあるのではないでしょうか。